## 単になくなったわけではない

今「瞬間湯沸かし器」というのはほとんどなくなりました。
自動給湯器になったからです。

とはいっても少し懐しくはあります。自動給湯器ではお湯が出るまでに
少し時間がかかりますが、瞬間湯沸かし器ではすぐにお湯が出たからです。

ただ瞬間湯沸かし器はあくまでも洗い物など少量の水を沸かすのに
適しているだけです。シャワーにはちょっと水量が足りないし、
これでお風呂にお湯を張るのは効率が悪いです。そこは自動給湯器の
ほうがいいでしょう。

単に機械がなくなったから当然その言葉が使われなくなった
のですが、昭和では「瞬間湯沸かし器」という言葉にもう一つの
意味がありました。そしてやっとその意味での使われ方も
消えようとしています。

## もう一つの意味とは

ご存知の方も多いかと思いますが、「瞬間湯沸かし器」とは「すぐに
カッとなって怒る人」のことを指しました。瞬間湯沸かし器は
水をすぐにお湯にするからです。

> 「部長に怒られたよ」「部長は瞬間湯沸かし器だからね」

のように使われました。この用法は若い人には通じないでしょう。
瞬間湯沸かし器自体を知らないのですから。勘のいい子なら「瞬間」という
言葉にピンと来て相槌を打ってくれるかもしれませんが。

## もうそろそろ

もうそろそろ「瞬間湯沸かし器」という言葉で「すぐ怒る人」を
指す用法はなくなっているでしょう。

故山本矩一郎先生は著書の中で「瞬間部分積分法」を解説していました。
この「瞬間」というのが「瞬間湯沸かし器」から来ているもので、
現在では「自動給湯器」のことです、と付記していました。
いかにも山本先生らしいと思います。ちなみに1989年ごろの話です。

## 何でも死語と分類するのは簡単ですが

使われなくなった言葉を「死語」と言ってしまうのは簡単ですが、
意外にも生きのびているものにも気付かなければなりません。

たとえば「ポンチ絵」。これは「概念図」のことだと思います。
仕事で文書を作成したところに

> ここにポンチ絵を入れて下さい。

と言われたことが何度もあります。明治か! と思いますが。

また「バタンキュー」も、モーニング娘。’14のセンター
[鞘師里保(16)のブログ](http://ameblo.jp/morningmusume-9ki/entry-11920714220.html)に出現していることも確認されて
います。私(43)だって使わないのに。

つまり「ポンチ絵」も「バタンキュー」もまだ昭和の語彙では
ないのです。不思議ですね。